語学学習は文法や単語から始める人が殆どだと思いますが、作文や会話などのアウトプットをどう始めればよいか分からない、といったことはないでしょうか。語学では、文法といったルールと単語といった材料を覚えれば、自然な文章が書ける(あるいは、話せる)ようになる訳ではないのが、面白いところです。
アウトプット(会話、作文)を始めるのに、注意すべきポイントとは⁉
以前、「効果的な語学学習の順番はこれだ!成功するための勉強法」という記事でもお伝えしましたが、語学学習のあるべき順序についての研究があります。この研究によると、最初は文法、単語、発音を優先すべきであり、会話や作文などのアウトプットは少しずつ始めて、中級レベルから本格的に取り組むべき、とあります。
何故かというと、最初から無理に会話練習などを始めてしまうと、ブロークンな表現でも相手に何とか通じてしまい、この成功体験が脳に定着することになり、後に中級以降で伸び悩む要因となります。会話や作文などのアウトプットは、正確な構文が使えているか、自然な表現となっているか、を確認しながら取り組む必要があります。

特に気を付けたいのが、文法や単語を勉強したのみでアウトプットをしようとすると、文法的には間違っていないけれど、ネイティブからみて不自然な表現を使ってしまいがちになります。
例えば、以下の英文は全部、「あなたと結婚したい」という表現で文法的にはどれも間違っていません。ですが、ネイティブにとって自然で通じる表現は、”I want to marry you.”のみです。
- I wish to be wedded with you.
- I want marriage with you.
- My becoming your husband is what I want.
- I desire you to become married to me.
- I want to marry you.
(参考文献:「外国語学習の科学ー第二言語習得論とは何か」白井恭弘著)
そこで、文法や単語を覚える以外に、それぞれの場面や意味内容に応じて自然となる表現を学習していく必要があります。それでは、具体的にどのようにして、アウトプット(会話、作文)のトレーニングをすれば良いのでしょうか。
アウトプット(作文、会話)のトレーニングの始め方
● ネイティブの文章の型を真似る!
作文や会話のトレーニングを始めるために、手っ取り早いのがネイティブの文章を型通りに真似て、自分の事に置き換えて文章を作文する作業を繰り返すことです。ネイティブの文章を真似して書くなら、構文も正確ですし、自然な表現になっていますよね。
語学学習に取り組む方の殆どは、「まずは、日常会話ができるようになる」といった事を当面の目標とされているのではないでしょうか。
語学用のテキストで「Short Stories」というシリーズがあります。英語だけでなく、フランス語/ドイツ語/スペイン語/イタリア語版があります。日常的なテーマを題材に短めの文章が並んでいます。
このようなテキストの文章を自分の事に置き換えて、作文していく作業を繰り返していると、身の回りで使える表現が身に付きます。また、既に文章にしたものを口でも繰り返し呟いて練習すると、咄嗟の場合にも言葉が口から出るようになります。
特に自分に関わる事については、脳は反応するため記憶し易いです。(ご自身に関わる事柄については、脳の中で処理する部位が他とは異なります。)自分の行動、自分の好きなこと、自分が感じたことを中心に文章を作っていると、そこでの表現が記憶に定着します。
このようなテキストは、無数にありますので、ご自身のレベルや興味などからお好きなものを選んでみて下さい。
とはいえ、語学学習の目的は人によって、以下のようにさまざまだと思います。
- ビジネスでのメールが書けるようになりたい
- 論文を書く必要がある
- 旅行する先々で会話をしてみたい…etc.
各シチュエーションによって、適切な表現(あるいは、定型句)があります。テーマ別にそのような文章が載っているテキストや実際の文章を参考にして、作文をされると良いと思います。
● ネイティブ(またはAI)によりフィードバックの機会を得る!
ネイティブによるフィードバックを得る機会を作る事も重要です。間違った表現をそれと知らずに使い続けていると、そのまま脳に定着してしまいます。

よくネイティブの友達を相手に会話練習をしているという方がいらっしゃいますが、普通の友達の場合、「ブロークンな表現でも通じれば良い」という考えの元、不自然な表現でも指摘してくれないといった事が起こりがちです。プロの語学教師との会話練習ができれば理想的ですが、普通の友達の場合はちゃんとフィードバックをしてもらえるよう、お願いしてみて下さい。
そして、今の時代はChatGPTなどのAIに添削を気軽にお願いできます。本当に良い時代になりました。また、どう表現して良いか分からない、といった場合にも、その言語での自然の表現をいくつか教えてもらったり、といった使い方もできますね。
● 多読多聴に取り組む
作文のトレーニングを並行して、多読多聴にも取り組んでいただくことをお薦めします。多読多聴により大量の文章に触れることで、その言語の自然な表現に対する感覚が身に付きます。第二言語習得論という研究分野でも、語学学習における多読の重要性が指摘されています。
詳しくは↓こちらの関連記事もご覧ください。

まとめ
語学において、会話や作文といったアウトプットのトレーニングでは、自然な表現を使うよう気を付ける必要があります。不自然な表現を使い続けると、それが脳に定着し、中級以降で伸び悩む原因となり得ます。そこで、以下のような対策をお薦めします。
- ネイティブの文章の型を真似て、作文をする
- ネイティブからのフィードバックを得る
- 多読多聴により自然な表現に大量に触れる
ネイティブからフィードバックを受けることで、文法や個々の単語などへの新たな気づきが得られます。また、自分で考えた文章が自然できちんとネイティブに通じたという経験を繰り返す事で、モチベーションに繋がります。是非、楽しんで取り組んでみて下さい。







