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単語を簡単に覚えるための科学的アプローチ

目次

単語を効率的に覚えるための基本知識

語彙力の重要性とその影響

語彙力は語学を習得する上で、重要なベースとなります。これは、誰もが想像することではないでしょうか。

語学学習の順序について研究した言語学者のテオドール・ヒッグス(Theodore Higgs)は、初級者はまずは語彙を増やすことを目指すべきと提唱しました。こちらのグラフ(ヒッグス曲線)は、語学レベル別(横軸)にどういった学習に比重を置くべきか(縦軸)を示しています。

語学における学習の順序、ヒッグス曲線

このグラフからは、学習の初期には語彙がまずは必要であることが分かります。語彙力は、文法学習、リスニング、読解、会話、作文など、語学の全ての要素のベースになるため、当然ですね。

実際に、文法のテキストを一通りを終えたのに、点数が伸びない、上達が感じられないといったご相談を受けることがありますが、お話を伺うと、単語の量がネックになっていることが多いようです。このようなグラフで見ると語彙力の重要性が再確認できます。

ヒッグス曲線が示す語学学習のあるべき順序について、こちら↓の記事で詳しく解説しています。宜しければご覧ください。

記憶のメカニズムを理解する

実は、脳の記憶のメカニズムを理解すると、単語を効率的に覚えることができます。

単語帳を使うやり方もあります。ですが、ただ羅列されている意味合いのない情報をひたすら覚えていく能力がある子供とは違い、大人の脳ではこのやり方はハンデがありそうです。

ですが、大人にはハンデばかりではありません。子供と違い、圧倒的な人生経験から、世の中のあらゆる事柄について脳の中に記憶のシナプスが既に形成されています。これを利用しない手はありません。

「シナプス」とは、脳の数百億個の神経細胞を繋ぐネットワークの事です。趣味など、自分が好きな分野についてであれば、既に記憶の強固なシナプスがあります。その分野に関わる言葉であれば、脳が関連する事柄を把握してくれているため、記憶し易いです。

好きな分野というのは、趣味の音楽、スポーツ、料理など何でもOKです。関連する言葉がどんな状況で使われるのか、想像できるところに単語がスムーズにインプットできます。

また、英語教育では、ESP(English for Specific Purposes)というアプローチがあります。仕事など自分の専門分野に関わる英語表現を学習し、使おうというものです。専門分野でも既にあるシナプス群の働きが期待できます。

興味があるニュースを毎日追っていくのも良いですね。

大人には大人の単語の覚え方があります。自分の好きな趣味、専門分野、興味のある情報などを選んで、それに関わる文章から単語を覚えましょう。一通り覚えたら、別の分野にトライしてみて下さい。

単語の意味の深みに触れる!

単語の複数の意味を辞書で全部見てみよう!

辞書で単語の意味を調べると、複数の意味が表示される場合がありますが、調べたいと思っている該当の意味のみを読んで満足されている人が多いと思います。ですが、全部の意味を読むことをお薦めします。その単語の意味について隅から隅まで読んでいくと、単語の深い核となる意味についてイメージできるようになります。

慶應義塾大学のドイツ語の先生も、若い時に高齢の先生から、「外国語の本を読むために辞書を使うのでなく、辞書を読むために本を使いなさい」とアドバイスされた、と話されていました。

例えば、英語の動詞”run”という動詞を辞書で調べて見ると、以下のような意味が表示されます。

  • 走る
  • 急いでいく
  • 競争する
  • 逃げる
  • 自由に動き回る
  • (水が)流れる
  • (機械が)作動する
  • 継続する
  • (会社などを)経営する
  • 立候補する(run for ~)

如何でしょうか。”run”は主として「走る」という意味ですが、そこから 「(エネルギーを持って)人や物が途切れずに、スムーズに動く」 というイメージで、多様な意味が派生しています。

辞書を読み込むと、それぞれの単語のコアな意味やイメージから多様な表現に派生していることが分かり、理解が深まります。単語を自信を持って使えるようになります。

多読多聴をして、文脈の中での単語に何度も触れよう!

そして、多読多聴もお薦めです。多読多聴をしていると基本的で重要な単語に何度も出会う事になります。文脈の中で単語がどのように使われているのか、どのような意味で使われているのか、を何度も見ることで、ここでも単語の核となる意味について、理解することができます。

また、大量の文章の中で同じ単語に何度も出会うことによって、重要な単語ほど記憶に定着します。脳は毎日、大量の情報を処理する必要があり、必要がないと脳が判断した情報は積極的に忘却していくようにできています。ですが、多読によって、何度も同じ単語やフレーズに出会うことで、脳が重要な情報と認識するようになり、自然と覚えられます。

繰り返しになりますが、ご自身が興味がある分野であるほど単語が覚えやすいです。多読多聴もご自身が楽しめるテキストやコンテンツ(小説や雑誌など)を見つけて、取り組んでみて下さい。

多読の効果やコツについて、こちら↓の記事に纏めていますので、宜しければご覧ください。

まとめ

語彙力は、語学習得の上で重要なベースであり、特に初中級レベルで集中的に取り組む必要があります。以下に単語を覚えるうコツを纏めます。

  • 自分の身の回りのことや、自分の趣味に関するテーマで使われる単語は覚えやすいです。
  • 重要な単語は、辞書で意味を一通りチェックすると、単語の核となる意味がイメージできるようになります。
  • 多読によって、同じ単語に何度も出会うことによって、長期記憶となります。

ひたすら暗記をしようとすると「しんどい」という気分になりますが、多読などで「楽しい」という要素を取り入れるのがコツです。

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この記事を書いた人

脳科学や第二言語習得論の知見を元にした語学のコツを、主に発信しています。

◆英語:ビジネスレベル(シカゴ大学MBA)
◆ドイツ語:ビジネスレベル B2

ヨーロッパ型の文化的な語学スタイルに出会い、コツ(語学の理論)を意識することで、40代でも2年目でドイツ語B2に合格できました!

元々、理系で語学は苦手。でも、
◆ 語学を通して、可能性が広がること
◆ 語学が苦手だった私でもできたということ
◆ 語学の理論的コツがあること
を伝えたくて、発信しています。

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ヨーロッパ型のエンタメを通して学ぶスタイルに魅了されて、日本でもこちらのレッスンをご紹介しています。

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